《茨城いちばん》弘道館 日本最大規模の藩校

茨城新聞
2018年4月8日

弘道館は水戸藩9代藩主徳川斉昭が1841年に創設した藩校だ。当時の敷地面積は日本最大規模の10万5千平方メートル。歴史学、医学、兵学、武芸を備えた総合大学のような施設だった。偕楽園(水戸市)などを含め「近世日本の教育遺産群」として2015年に日本遺産に登録された。

文武両道を目指し、藩士子弟らが午前は学業に励み、午後は武芸を鍛えた。鈴木暎一茨城大名誉教授の著書「水戸弘道館小史」によると、80%以上が出席規定をクリアしていたが、勉強だけの人や武芸に偏る人もいた。「文館、武館ともに出頭するように」という通達が出た。昔も今も文武両道は難しかったようだ。

弘道館は3度の受難を乗り越えてきた。藩士同士が天狗党と諸生党に分かれて争った弘道館戦争(1868年)で、文館、武館、医学館を焼失した。1945年の空襲では孔子廟(こうしびょう)などが燃えた。

2011年の東日本大震災では正庁の土壁などが崩れた。弘道館主任研究員の小圷のり子さんは「屋根瓦は一枚も落下しなかった。土壁が崩れることで地震の衝撃を分散させた。江戸時代の建物の強さを感じる」と先人の知恵を評価した。

【メモ】弘道館という名称の藩校は彦根、出石、福山、佐賀、谷田部など数多くあった。水戸藩は江戸藩邸にも弘道館を設けた。 

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