排水溝に調整池機能 真壁城発掘調査 桜川

茨城新聞
2017年11月30日

桜川市真壁町古城の国指定史跡・真壁城の本年度発掘調査で、同市教育委員会は29日までに、安土桃山時代の中城庭園跡の北西部で昨年度確認した大規模な排水溝は、薬研堀(やげんぼり)状の池で、調整池の機能を持っていたことが分かったと発表した。薬研堀状の池は県内初。さらに、庭園や園内の池全体の面積も把握。いずれも県内最大規模で、市教委は「庭園が外交の拠点として貴重な役割を果たしていたのではないか」としている。

真壁城は、室町-安土桃山時代に築いた真壁氏累代の居城。発掘調査は1997年から始まり、東日本大震災で中断していたが2014年度に再開した。

本年度は庭園北西部の継続調査と、庭園北側の北池周辺部の調査を実施した。

排水溝は薬研堀状の池で上幅3メートル、深さ1・5~1・8メートル。西側の堀近くまで広がり、庭園全体の貯水・排水など、調整機能を担っていたと考えられる。

北池の全体像が把握できたことから、庭園に伴う池全体の面積が約1500平方メートルで、庭園は約9千平方メートルと判明。北池周辺で庭園の外と内をつなぐ園路が見つかり、庭園の正門発見の可能性もあるという。

庭園からは安土桃山時代の茶道具や中国産の高級磁器の破片などが出土。茶室や能舞台などの建物があったことが分かっており、市教委は「庭園は外交の場として使われていた」とみる。

これらを踏まえ、来年度以降は、庭園の詳細な構造の調査を進める。

市教委は12月2日午前10時半と午後1時半の2回、真壁体育館東側の発掘現場で現地説明会を開く。問い合わせは市教委生涯学習課(シトラス内)(電)0296(20)6300

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