大子で誕生、新種リンゴ 観光客向け期待

茨城新聞
2017年9月1日

大子町で町オリジナルの新種リンゴが誕生した。小玉でたっぷり蜜が入る「こうとく」と蜜入りで果汁が多い「ふじ」の交配種で、濃い赤色で甘く、ぱりっとした食感が特長という。「奥久慈 宝紅」と商標登録。まだ、販売するだけの収穫量が見込めず、デビューは来年になるが、完熟期は10月中・下旬で、紅葉シーズンと重なるため、観光客向けのリンゴとしても期待が膨らむ。

宝紅は2008年、同町頃藤の県農業総合センター山間地帯特産指導所が、新品種の育成に積極的だったリンゴ園から、苗木を譲り受けて育成を始めた。12年、JA常陸大子町りんご部会の役員などのリンゴ園に、苗木からの枝(穂木)を配布。同部会はオリジナル品種として、接ぎ木での栽培を広げた。

リンゴは接ぎ木で結実させるのが一般的で、祝園真一副所長は「苗木からは10年以上かかるが、接ぎ木だと約3年で収穫できる」と話す。糖度や酸度、蜜などを分析した結果、高い評価が得られた。

県県北農林事務所常陸大宮地域農業改良普及センターの栗田聡子専門員は「人気がある品種のふじと同等以上の味。食感が良く日持ちする」と自信を示す。14年から広くリンゴ園に枝が配られ、同センターによると現在、49のリンゴ園のうち、約9割が栽培しているという。

今年は各リンゴ園で、販売するだけの品質や量が十分ではなかった。りんご部会の仲野広部会長は「リンゴ産地として大事に育て、魅力的な品質にして販売したい」と話し、今後、色や大きさなど収穫、販売の基準などを協議する。

同町の代表的な品種「ふじ」は、11月初旬からの販売で、観光客でにぎわう紅葉のピークは過ぎている。このため、町特産品販売室は、ふじが出回る前の売れ筋になるよう期待。大子町生まれの優良品種として、ブランド化を推進する。

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