「分福」釜飯全国へ 冷凍、専門店の味手軽に 日本料理のあぶらや

上毛新聞
2017年7月9日

日本料理店のあぶらや(板倉町内蔵新田、延山知正社長)は、県産食材を使った冷凍釜飯「分福茶釜めし」を開発した。特殊な冷凍技術を採用し、専門店の味を家庭で手軽に味わえるようにした。今秋から本格的に販売を始め、新たな本県名物として全国に売り込む。

あぶらやは京懐石料理が専門で、一つずつじか火で炊きあげる釜飯が看板メニュー。釜飯は5年前から持ち帰り用や催事向けにも販売していたが、日持ちしないという悩みがあった。
多くの消費者に味わってもらおうと、長期保存が可能な冷凍に着目。冷凍技術を持つ奈良県の企業と協力し、食材の細胞が壊れるのを防ぐ凍結機を導入した。磁気と電磁波、冷風を使って凍らせる特殊な装置で、高い鮮度を維持できる。釜飯は出来たてをそのまま凍らせ、電子レンジで解凍しても食味が落ちないという。
釜飯には、板倉町南部を中心に自家栽培するコシヒカリを使う。自家製の野菜や地元名物のウナギ、この他にもエビ、帆立、鶏肉といった厳選食材を載せる。じか火炊きのため、ご飯におこげも付いており、豊かな風味を楽しめる。
陶器は美濃焼で、冷凍や電子レンジでの温めに対応している。店が「分福茶釜」で知られる茂林寺(館林市)に近いことから、かわいらしいタヌキをふたにデザインした。
1個1500円(税別)。土産や贈答用などの需要を取り込む。すでに大手百貨店などのバイヤーから引き合いがあるという。
延山社長は「地元のおいしいものを集め、群馬の新名物として全国に発信したい。贈答やご褒美など大事な時に使える一品になれるといい」と話した。
同社は2006年設立。昨年、中小企業庁の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選定された。
問い合わせは同社(☎0276・82・0699)へ。

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