引退列車 ご神体に 鉄道神社でまちづくり

茨城新聞
2017年5月15日

ひたちなか市那珂湊地区の商店街に鉄道を「ご神体」に見立てた神社を造ろうと、市民が計画している。ひたちなか海浜鉄道湊線で44年間走った気動車「キハ222」を祭り、「例大祭」などのイベントを展開して人を呼び込み、地域振興につなげる狙い。

キハ222は1962年に製造。北海道の羽幌炭鉱鉄道で使われ、71年から湊線で走り、2015年5月の引退後は終点の阿字ケ浦駅で保管されている。

営業用として日本一古い気動車だったキハ222。そんな「名車」にもう一度スポットを当てようと、湊線を生かしたまちづくりに取り組む市民団体「三鉄ものがたり実行委員会」と那珂湊本町通り商店街が鉄道神社構想を進めている。

参道に見立てた商店街に車両を持ち込み、長寿や交通安全といった御利益がある神社にし、多くの人にお参りしてもらう。候補地は那珂湊本町通り商店街で探している。「222」に掛けて2月22日を「例大祭」、毎月22日を「例祭」にするなど、さまざまなイベントも練る。

また、同委員会は鉄道神社の機運を盛り上げようと、のぼり旗を作ったり、市民にキハ222に触れてもらったりする機会を設けた。キハ222は潮風にさらされ、塗装が剝げたりさび付くなど風化する。そこで3日は「すす払い」と称し、市民含めて15人ほどで車両を清掃し、ワックスで磨いたり、さびを落としたりした。

父親と参加した城里町の中学1年、大畠慧子さん(12)は「きれいになるのが楽しく、少しは鉄道に興味が湧いた」と話した。

同委員会の佐藤久彰代表(48)は「鉄道神社を題材にしゃれを使って、さまざまな仕掛けをしたい」と語る。

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