常磐道・石岡小美玉 茨城空港 「直結」15分

茨城新聞
2016年10月7日

茨城空港(小美玉市)の利用促進などを狙いに、県と同市は10月下旬、石岡a市の常磐自動車道石岡小美玉スマートインターチェンジ(IC)と空港をほぼ直線で結ぶアクセス道路の工事に着手する。完成すれば既に開通済みの同空港側の2・4キロ(県道茨城空港線)を含めて計12キロで結ばれ、国道6号との交差部分は下をくぐり抜けるなどして15分程度で行き来できるようになる。完成時期は未定だが、県は2020年東京五輪・パラリンピックなどを見据え、「できるだけ早期に開通させたい」と説明している。

着工を前に、県と小美玉市は27日、同市竹原の国道6号との交差箇所付近で起工式を行う。

現在、常磐道から同空港へアクセスは、主に同スマートICのほか、岩間(笠間市)、千代田石岡(かすみがうら市)の両ICが使われている。空港への距離は、同スマートICが17キロ、岩間ICが約19キロ、千代田石岡ICが約17キロ。県によると、それぞれ国道など複数の道路を経由するため、利用者からは「ルートが分かりにくい」「国道6号が渋滞になると時間が読めない」など、利便性向上を求める声が上がっていた。

また、国の首都圏航空機能強化を検討する委員会では、「首都圏に位置する空港として、一定の航空需要を分担するためには地上アクセスの改善が課題」と指摘され、海外の航空会社からも都心へのアクセス改善の必要性を求められているという。

同スマートICは、自動料金収受システム(ETC)搭載車専用ICとして11年3月に運用を開始。今回着工するのは、同IC(石岡市正上内)-県道紅葉石岡線の交差点(小美玉市野田)まで9・6キロ区間。県が西側5キロ、小美玉市が東側4・6キロをそれぞれ整備する。同ICから国道6号までの約3キロ区間は片側2車線とし、残りは片側1車線となる。

県などは本年度から用地取得を開始。9月の定例県議会では、国道6号交差部分の地下通路新設工事の請負契約締結の議案が可決された。

開通により、常磐道三郷IC(埼玉県三郷市)から同空港への所要時間はこれまでの約1時間10分から約50分に短縮される見込みで、首都圏や埼玉県方面からの空港利用促進も期待される。

県は「茨城空港の特長の一つは無料駐車場。アクセスの利便性が高まれば利用圏の拡大につながる。国際路線の誘致にも有効だ」と整備効果に期待している。

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