《路線バス 終点を行く(18)》野反湖(中之条) “自然の宝庫”を満喫

上毛新聞
2016年8月12日

JR長野原草津口駅を出発した路線バス「野反湖線」が、山道を抜けると緑がまばゆい八間山が出迎える。左手に野反湖を見ながら、さらに進むと終点に到着。白砂山、八間山、三壁山など2千メートル級の山々に囲まれ、ノゾリキスゲなど高山植物を楽しめる“自然の宝庫”を目当てに多くの観光客が訪れる。
観光シーズンの春から秋にかけて運行。バス停周辺は家族連れや登山客でにぎわう。荻原幸助さん(75)=埼玉県寄居町=は、孫に本物の自然を体験させたいと毎年訪れる。「今は外で子どもが遊べる場所がない。ここなら湖、山、魚釣りにキャンプと大自然を満喫できる」とさっそく周辺の散策に乗り出した。
観光客の多くはバス停の目の前にある野反湖展望台兼案内所を利用する。施設内で食堂「泉屋」を経営するのは山本卓也さん(49)。草津の旅館で腕を振るった経験を生かす。「この自然を目当てに人が来てくれる限り続けたい」と力を込める。
60年の歴史を持つキャンプ場も魅力の一つだ。拠点となるビジターセンターとともに、地元住民が管理組合を組織して、指定管理者として運営する。窓口で対応する山本隆行さん(41)は「野反湖ほどの自然はほかにない。楽しみ方もいろいろある」と施設の充実ぶりに胸を張る。地元の財産である自然を守り、生かそうと活動する住民が、六合地区の貴重な観光地を支えている。

【野反湖線】JR長野原草津口駅と中之条町の野反湖をつなぎ、5月1日から10月20日まで運行。同町とローズクィーン交通(東吾妻町川戸)が運行協定を結ぶ。重伝建群の赤岩入口や道の駅六合、花敷温泉など主要施設を経由する。

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