《日本遺産》「かかあ天下―ぐんまの絹物語」 片品の魅力堪能 講演やハイキング 

上毛新聞
2016年6月6日

ㅤ日本遺産認定を記念するイベント「かかあ天下―ぐんまの絹物語―in片品」が4日、片品村花咲の旧片品南小を主会場に開かれた。観光振興や、かかあ天下をテーマとした基調講演やパネルディスカッション、同遺産の構成資産「永井流養蚕伝習所実習棟」周辺を巡るハイキング、地元小学生記者によるガイドマップ作りなど多彩な催しを行った。村内外から多くの人が訪れ、片品の魅力を堪能するとともに、地域活性化には女性の活躍が欠かせないと再認識した。

ㅤ基調講演では、日本遺産審査委員会委員の丁野朗さんが「地域遺産の活用と観光振興」と題して話した。永井紺周郎が考案した養蚕法「いぶし飼い」を、同実習棟で指導した妻のいとが日本遺産「かかあ天下」の軸になっていると解説。それを生かすためには地域一丸となる必要があると語った。
パネルディスカッションは千明金造村長ら5人が「かかあ天下で輝く『尾瀬の郷かたしな』に―」をテーマに、永井夫妻の功績や精神、「かかあ天下」を生かした地域振興について語り合った。村を元気な母親たちの“聖地”とし、討論の場にするといった提言もあった。
ㅤ小学生によるガイドマップ作りは、地元片品小の6人が、尾瀬高生の案内で同実習棟や永井夫妻の墓所などを訪問。養蚕の普及に力を尽くした夫妻の功績を学び、地域への誇りを改めて強くした。
会場で永井夫妻ゆかりの資料や、県内の日本遺産構成資産を紹介するパネルを展示。永井夫妻や片品の民話を題材にした紙芝居の上演、アルプホルンの演奏、繭クラフト教室、座繰り体験会も行われた。
ㅤ県と村、かかあ天下ぐんまの絹物語協議会、富岡製糸場世界遺産伝道師協会、上毛新聞社が主催した。
小学生のガイドマップ作りは12日付の子ども向け「週刊風っ子」で詳報する。マップは同日の新聞折り込みで利根沼田地域に配布される。

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