主役も客も結城紬 結城で結婚披露宴

茨城新聞
2016年5月22日

新郎新婦とゲストが結城紬(つむぎ)を着て結婚を祝うユニークな披露宴が21日、結城市結城の老舗紬問屋、奥順「つむぎの館」で行われた。新郎新婦は藪谷祐介さん(30)と奥順社員の智恵さん(31)。同市であったまちづくりイベントで5年前に知り合った2人は、ゲストに伝統の織物と市の魅力を感じてもらおうと企画し、実現した。

希望したゲストは、JR結城駅前の着付け体験施設「着楽」で着物に着替え、出席。着付け支援団体「ゆうき着楽会」が協力した。奥順による貸し出しもあり、計80人のうち半数ほどが結城紬に身を包んだ。

奥順のアンテナショップ「結城 澤屋」の運営に携わる智恵さんは、結城紬の魅力について「人の手でないと生み出せない質感がある。飽きがこず、長く楽しめる」と話す。その素晴らしさをゲストに最大限楽しんでもらえるようにと、昨年9月から披露宴の準備を進めてきた。

祐介さんの友人、西村裕太さん(30)たち3人は「結城紬は軽くて涼しい。すぐ体になじむ」と着心地に満悦の様子だった。

会場には紬の歴史資料館や体験工房などがある同館全体を使った。同市の飲食店が料理を出したり、地元のバンドも音楽演奏したりして、披露宴を盛り上げていた。

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