獅子にかまれ 元気に育って 神栖の神社

茨城新聞
2015年9月7日

神栖市波崎の舎利地区に200年以上前から伝わる市指定無形民俗文化財「益田神社獅子舞」が6日、同神社で行われた。伝統を受け継ぐ舎利鳴物保存会が笛や太鼓を鳴らしながら獅子とともに回り歩き、住民の無病息災を祈った。元気に育つとのいわれがあることから、獅子に頭をかんでもらう子どもの姿も見られた。

同会によると、獅子舞の始まりは1783年。この年に長野県と群馬県にまたがる浅間山が噴火し、火山灰が波崎にまで降り注いで凶作となったことを「神様の怒りだ」と考えた農民が、怒りを鎮めようと始めたという。現在は2月と9月の年2回行われ、無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を祈願するものとなっている。

会員の高齢化に伴い舞は簡略化されている。同会の岡野広会長(71)は「後継者不足だが毎年必ず続けている。若い人にも入ってほしい」と話す。

実家に里帰り中だった千葉県銚子市、平津亮子さん(30)は、息子の凛太朗くん(1)を連れ「元気にすくすく育ってほしい」と笑顔で獅子に息子の頭をかませていた。

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