茨城・日立でロケ、大煙突登場 裕次郎主演映画「今日に生きる」上映 15日から

茨城新聞
2022年7月5日

茨城県日立市東滑川町の映画館「シネマサンライズ」は15日から、63年前に公開した石原裕次郎主演の映画「今日に生きる」を上映する。同市でロケが行われ、日立鉱山や日立セメント、現役で稼働していた大煙突など、同市の懐かしい風景が登場する。地元からの要望を受けて上映が実現した。1週間限定の公開で、21日まで。

同作品は1959年公開。北関東にある架空の鉱山都市「宇山市」が舞台で、二つの運輸業者の対立に、裕次郎演じる東京から来た青年が活躍するアクションドラマ。二谷英明や南田洋子、江木俊夫らが出演する。劇中では当時の国鉄常磐線日立駅や、廃校となった市立大雄院小学校なども見られる。

同映画館は、2020年に開業した商業施設「シー・マーク・スクエア」内にある。日立リアルエステートパートナーズ(東京)が商業施設、プレビ(日立市)が映画館をそれぞれ管理運営し、両者で上映を企画した。

両社によると、同施設と映画館のPR活動に当たり、日立製作所の関係者を訪問。同社OBから、後輩に同作品は伝説的に語られており、上映できないかと声が上がった。裕次郎の生誕85周年でもあり、命日の「7月17日」に合わせて上映を決めた。

当時を知る日立製作所OBから、中学生の時にみんなが裕次郎の撮影を見に行き、休校になったエピソードなどが語られている。日立リアルエステートパートナーズの賃貸運用部、阿部義貴部長代理は「作品に思い出を持っている人もたくさんいる。幅広い人に映画を見てもらうきっかけづくりになれば」と期待する。

同映画館の成田恵美支配人は「自分たちの父や祖父の代が親しんできた日立と、裕次郎がコラボレーションした作品。作品をきっかけに、家族の中で当時の日立の話が広がればうれしい」と話した。

同作品は1日1回、最終上映時間に上映。13日から同映画館のホームページのみで予約も受け付ける。入場料金1000円。問い合わせは同映画館(電)0294(32)5805。