揚舟 水郷に復活 板倉町職員、船頭デビュー
上毛新聞
2022年6月6日
のどかな水辺の景色を楽しめる板倉町の揚舟(あげぶね)が4日、同町を流れる谷田川で3年ぶりに運航を始めた。日よけの笠(かさ)をかぶった観光客らが舟の旅を満喫し、ゆったりとした時間を過ごしている。
かつて水害時の避難用に民家に備えられていた揚舟を活用し、地域の歴史や水辺の風景を案内する。船頭の担い手不足に伴い、今年は町職員が練習を積んで船頭としてデビューした。約5メートルの竹ざおを操り、新緑や入道雲の映った川面を滑るように舟を進めていた。
前橋市から家族で訪れた関口颯太君(10)は「サギやカワセミが見られて楽しかった。また乗りたい」と満足そうだ。母の美香さん(48)は「梅雨前のいい天気で、舟から景色を楽しめた」と目を細めた。
船頭を務めた町職員の飯塚哲也さん(48)は「お客さんを乗せて無事に運航できてほっとした。町内観光の目玉の一つなので再開はうれしい。安全を徹底し、もてなしたい」と話した。
揚舟は同町岩田の群馬の水郷公園を発着点に約1.5キロのコースを往復する。6月の週末8日間に実施し、午前9時~午後3時の1時間ごとに計7便運航する。料金は大人(中学生以上)が1000円、小学生以下は無料。