「世界遺産の町に新名物を」 おっきりこみセット開発 富岡土産に
「世界遺産の町に新名物を」を合言葉に、群馬県富岡市観光協会(同市富岡、武井哲郎会長)が、土産用の「おっきりこみ」を開発した。会員企業を中心とする市内18店舗で商品の販売を開始。古くから地元養蚕農家に愛されてきた郷土料理として観光客らに売り込み「富岡みやげ」としての定番化を目指す。
自宅で簡単に調理できる土産として開発した。1箱1080円で麺(150グラム)とつゆ(40グラム)に加え、レトルト加工の野菜440グラムもセットになっている。鍋に水を入れて10分加熱すれば完成する。
同市の世界文化遺産、富岡製糸場には年間40万人規模の来場があるが、定番の土産がないことから企画した。協会員でつくる商品開発セールス委員会が開発を進め、飲食店や製麺所の事業主らが味を仕上げた。製造は会員企業のマップフーズ(同市内匠)が担当する。
ゆで上がると約1センチになる平たい麺が特徴。頭文字をとって「こしね」と呼ばれる地元特産のこんにゃく、シイタケ、ネギを入れた具材にこだわり、ニンジンやハクサイなども盛り込んだ。
パッケージの表面には、飛んでいるカイコガに見えるという市の全形や、市のイメージキャラクター「お富ちゃん」のイラストを配置している。側面は、製糸場をイメージさせるれんがの絵で飾りつけた。
年間の販売目標は3千個。製糸 場周辺に50本ののぼり旗を立ててアピールし、販路拡大を目指す。中野明委員長は「製糸場といったらおっきりこみと思われるよう、さまざまな戦略で知名度を高めていきたい」としている。