和洋の融合にこだわり 牛鍋 赤城亭 栃木
下野新聞
2021年1月24日
野菜がのった瓦型の鉄鍋に秘伝のたれを注ぎ、黒毛和牛を煮る。生卵に潜らせ肉をほおばると、あまりのうまさにため息がでる。
1923年創業の老舗洋食店・赤城亭。看板メニューは予約制の「牛鍋」(ランチコース3850円)だ。大正時代から変わらぬレシピで作り続けている。
「牛肉は当時、珍しい食べ物だった」と、オーナーシェフの飯沼友治(いいぬまゆうじ)さん(59)。ハイカラだった洋食と牛肉を楽しんでもらおうと、祖父の治太郎(じたろう)さんが牛肉店を併設した店を開いた。
伝統の牛鍋のたれは、甘じょっぱいしょうゆベース。数カ月じっくりと寝かせることで、味をまろやかにしているという。オムライスやビーフシチューなどにも使われる「店の味」だ。
コースでは嘉右衛門(かうえもん)町の油伝味噌(あぶでんみそ)のムースなど「小江戸とちぎ」をイメージした料理が続く。どれも色鮮やかで、次の一皿が待ち遠しい。飯沼さんは「和と洋の融合がコンセプト。見て、食べて楽しい料理を」と、老舗の看板を守っている。
【メモ】栃木市旭町25の5。午前11時半~午後3時、午後5時半~9時(夜は予約制)。月曜夜と火曜定休。(問)0282・22・0360。
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