完熟イチゴ10種どうぞ 鉾田・観光農園プレオープン

茨城新聞
2019年2月15日

味や香りが異なるイチゴを存分に楽しんでもらおうと、鉾田市鳥栖のイチゴ農家「新堀農園」が、10種類のイチゴをそろえた観光農園事業に乗り出した。市場へ出荷するイチゴは完熟前に収穫されるが、おいしさのピークを迎えた果実の魅力を満喫できる観光農園は市内に少なかった。春には敷地内にイチゴの加工スペースやカフェも開設予定で、同園代表の新堀英巳さん(43)は「お客さんが喜ぶ顔が見たい」と意欲を見せる。

同農園が観光農園で提供するイチゴは▽いばらキッス▽やよいひめ▽とちおとめ▽紅ほっぺ▽章姫(あきひめ)▽桃薫(とうくん)▽よつぼし▽恋みのり▽もういっこ-と、越後姫の実生育成種の計10品種。既にプレオープンした観光農園は、会員制交流サイト(SNS)や口コミで評判が広まり、市内外から問い合わせが寄せられているという。

同農園が市場向けに栽培していた主力品種はやよいひめだったが、新堀さんは、次女(11)の「もっといろいろなイチゴも食べたい」の一言で観光農園に乗り出すことを決意。昨年初めごろから、来園者が収穫しやすいように高設栽培に切り替えたり、苗床の間隔を約1メートルに広げたりして準備を進めてきた。

市場向けイチゴは、完熟の1~2日前に収穫するのが一般的で、収穫時に完熟を迎えたものは廃棄するため「どうしてもロスが出る」と新堀さん。このため、完熟イチゴはドライフルーツや冷凍イチゴに加工して販売したり、それらを使ったスイーツを農園内のカフェで提供したりする方針。観光農園や加工所、カフェを運営する別会社も設立した。

完熟イチゴを提供するため、営業は毎週日曜午前10時半~正午の1時間半のみ。食べ放題で大人2千円、子供500~1500円、3歳以下無料。

市町村別の農業産出額で全国2位(2016年)を誇る同市は、首都圏から100キロ以内にあり、新鮮な野菜や果物を短時間で市場に届けられる利点がある。一方、市場に出せば一定の収入が見込めることから、不特定多数の顧客を呼び込む必要がある観光農園事業に取り組む市内農家は、メロンも含めて数軒となっている。

問い合わせは、同農園(電)070(3996)1533へ(午前10時~午後3時)。 

地図を開く 近くのニュース