《味な探検隊》渋川・ハンバーグ店巡り 肉汁たっぷり地域の定番

上毛新聞
2019年2月1日

「お子さまランチ」の定番の一つで、多くの人たちに子どもの頃から親しまれているハンバーグ。おしゃれな専門店から昔ながらの洋食店まで、渋川市内の店を食べ歩き、地域で愛される肉汁のうま味を探った。

◎レストラン翔(渋川市吹屋) 色合いにも一工夫
ライチタイムのみ営業し、昭和の雰囲気が感じられるこぢんまりとした洋食店。渋川市内の別の場所で飲食店を営んでいた羽鳥祐一さん(58)が、2004年に現在地でオープンした。店名は長男、翔平さん(25)の名前から1字を取った。


お薦めはオープン当時から提供するライス付きの「鉄板焼きハンバーグ・目玉焼き添え」(950円)。肉の食感が楽しめるように独自配合した少し粗めの合いびき肉を使う。箸で切れる軟らかさと評判の一品だ。野菜や子牛の骨を1週間煮込んだ「デミソース」と、タマネギをベースに調味料や白ワインと合わせた「和風ソース」の2種類から味付けを選択できる。
ニンジンやジャガイモ、カボチャなど付け合わせの食材も豊富。揚げたり蒸したりした野菜の鮮やかな色合いが、目でも食事を楽しませてくれる。サラダとスープのセット(250円)も人気で、羽鳥さんは「色味と栄養バランスを考えた料理を心掛けている。お客さんに『おいしかった』と言ってもらえることが活力になる」と照れくさそうに話す。
店内の他、道の駅こもち(同市白井)で、スパゲティやカレーなどワンコインで買える弁当を数量限定で販売する。店には出していないメニューを売ることもあるという。


昼に貸し切りとなる場合もあり、来店前に確認することを勧める。羽鳥さんは「落ち着いた店の雰囲気や味を気に入り、一緒に働いてくれる人も募集したい」と呼び掛ける。
午前11時半~午後2時。木曜定休。問い合わせは同店(☎0279・25・0860)へ。

◎イタリア亭クッチーナ(渋川市中村) トマト酸味で食欲
オーナーの宗村康雄さん(57)が1998年に開業。食事をした客が明るく、元気に帰ってもらえるような店づくりを心掛ける。


牛肉100%の「ハンバーグトマトチーズ焼き」(900円)が人気で、煮込んだイタリア産の完熟トマトとチーズがたっぷりとかかる。ジャガイモやシメジ、ブロッコリーと、ソースのトマトの酸味で重たく感じさせず食べやすい。
ライスかパン(各200円)とサラダ、飲み物、ケーキ付きのBセット(650円)を合わせて注文する人が多いという。
野菜を多く使い、ビタミンが豊富なコース料理は女性から支持される。季節限定のメニューも多い。
火曜定休。問い合わせは同店(☎0279・25・3031)へ。

◎レストランピッコロ(渋川市行幸田) 軟らかな食感好評
県道高崎渋川線沿いにある洋食店。客がくつろげる雰囲気を大切にし、幼い子ども連れでも食事を楽しめる。為谷茂道さん(68)と妻の律子さん(68)が1977年、前橋市で開業し、7年後に「石原」信号南の現在地へ移転した。


一押しは、大根おろしをたっぷりのせ、箸ですっと切れるほど軟らかい和風ハンバーグセット(1550円)。しょうゆベースのソースで、さっぱりした味わい。ライスとサラダ、飲み物、甘さ控えめの自家製プリンが付き、色合いに華やかさを感じる。
シーフードなど9種類のドリアや、季節に合わせたスープも人気が高い。火曜定休。問い合わせは同店(☎0279・23・0311)へ。

◎米国調店内で舌鼓 バーニーズダイナーハンバーグ(渋川市渋川)


アメリカンテイストの店内で、関口亜由子さんと夫の実さんが出迎える。ハンバーグは200~600グラムの範囲で好みの量を選べ、ライスとサラダが付く。濃厚なチーズがたっぷりとかかる「イタリアーナ」(300グラム、1130円)は、他では食べられない味と評判。ソースはトマトかデミグラスを選べる。
水曜定休。問い合わせは同店(☎0279・25・0519)へ。

◎夫婦二人三脚の味 ベアーズレイ(渋川市渋川)


福田清一さん(58)、かずみさん(43)の夫妻が二人三脚で切り盛りし、創業18年を迎える。
国産合いびき肉を使った「チェダーチーズハンバーグ」(1280円)が一押し。サラダ、ライス(パン)、ドリンク付き。濃厚なチーズが食欲を そそり、ぺろりと 食べられる。シフォン ケーキも人気。火曜定休。問い合わせは同店(☎0279・23・2385)へ。

【こんなお店も…】
❺ヴァンティエ(渋川市渋川、☎0279・25・8889) ライスとサラダ、スープ、飲み物が付く「赤城牛ハンバーグランチ」(980円)がお薦め。5種類のソースから選べる。ピザ、パスタなど他のメニューも豊富。月曜、第3日曜定休。

❻伊香保カントリークラブハウスレストラン(渋川市伊香保町伊香保、☎0279・72・3188) 群馬牛と氷室豚を手ごねした「ハンバーグステーキ」(2千円)が売り。チーズや山ワサビソースと相性が良く、ライス、サラダなどが付く。火曜定休。

【本日の探検隊員】
◎各店の自信作で笑顔 渋川支局 藤田賢記者
ハンバーグが大好物の記者。なじみの味から今回初めて食べて紹介したいと思った味まで、3年間の渋川生活で見つけた、よりすぐりの逸品を取材した。振り返ると各店の自信作を食べて、笑顔で過ごせた日が多かった。個人店では提供に時間がかかることもあるが、腹をすかせて食べると、おいしさを一層感じられるはずだ。