《味な探検隊》太田・パン店巡り 焼きたて誘う香り
朝食、ランチに、時にはお茶のお供に―。食事にもおやつにもなるパン。創業100年を超える老舗から、少しぜいたくな時間を味わえる店まで、市民に親しまれる太田市内の“パン屋さん”を巡ってみた。
◎フールアンピエール(太田市南矢島町) バター効いた逸品
市内の洋菓子店「ル・クレール」が、2008年に出店した人気店。欧風な外観で、木目調の調度の店内に入ると、焼きたてパンの香ばしい香りに包まれた。平日限定ランチも人気で、家族連れや会社員でにぎわう。
看板商品のバターをぜいたくに使った「塩バター」(130円)や「おひさまメロンパン」(150円)など約130種類のパンが所狭しと並ぶ。市内の常連の50代女性は「塩バターは外がカリッとして、バターが効いておいしい」と話した。
新商品も豊富で常連客を飽きさせない。ホットドッグはプレーン(280円)、ピリ辛のチリコンカンがのったメキシカンドッグ(320円)の2種類をそろえる。からあげサンドにも韓国風(280円)が新登場。ボリュームがある調理パンは、子どもも大人も満足できる。
大人気のランチはパンの食べ放題(80分間)にサラダ、スープ、ドリンク付きで千円。姉妹店の「ル・パサージュ」のパンが並ぶことも。洋菓子店が経営するパン店らしくケーキも味わえる。「お客さんの意見も取り入れ、成長していきたい」と伴場建吾店長(33)。菓子パンは乾燥を防ぎ、時間がたってもやわらかいままで食べてもらうため一つ一つ包装。客のことを考えて手間を惜しまない。
緑に囲まれたテラス席で、親子連れがパンを頬張る姿も見られた。近くには公園があり、天気がいい日に、お気に入りのパンを買って散策するのもいいかもしれない。
水曜、不定休で第3または第4火曜定休。問い合わせは同店(☎0276・56・4657)へ。
◎新田パン(太田市本町) 市民と共に101年
空高く伸びる「新田パン」と書かれた煙突が目印だ。創業101年を迎える新田パンは、市民にとって思い出の味。学校給食や市内の高校の購買でも販売しており、子どもたちの食を支えてきた。
看板商品は創業当時から変わらない「栄養パン」(143円)。黒蜜が練り込まれた生地に、甘納豆やレーズンがごろごろ入っている。注文後に揚げてくれる揚げパン(100円~)はきな粉、砂糖、ココア、シナモンの4種類があり、幅広い世代に人気だ。
同店の星野茂さん(30)は「新しい製法も取り入れながら、素朴で昔ながらのパンをつくっていきたい」と話していた。
土・日曜、祝日定休。問い合わせは同店(☎0276・25・3001)へ。
◎マイピア(太田市西本町) 5種類の食パン
店内に入ると、焼きたてのパンのいい香りに包まれた。大学で酵母について学び、日本代表として国際大会にも出場した2代目、大村田さん(38)が経営する。小麦やバターなど素材にこだわった約80種類が並んでいる。
食パンだけで「香食」「パンドミ」「シリアル」など食感や味の異なる5種類を取りそろえる。フランスパンの生地にドライフルーツを練り込んだ「パン・オ・フリュイ」も人気だ。
8月中旬で休店し、秋にカフェスペースを備えた「学びと体験」がテーマの「ヴァンダラスト」に生まれ変わる。パン作り教室に力を入れ、カフェスペースは貸し出しもするという。
水曜定休。問い合わせは同店(☎0276・22・2200)へ。
◎サンドイッチ&レストラン まめや(太田市本町) 色とりどり20種
色とりどりのサンドイッチが、ショーケースに並ぶ。自家製マヨネーズを使った定番商品「たまごサンド」(240円)や「フルーツサンド」(220円)など常時20種類ほどをそろえる。
店内でも食事ができ、「サンドイッチセット」(580円)は好きなサンドイッチに飲み物、サラダが付く。
不定休。問い合わせは同店(☎0276・22・3553)へ。
◎パーネデリシア おおた店(太田市内ケ島町) チョコぎっしり
伊勢崎市のグンイチパンの直営店。一押しは3種類のチョコレートがぎっしり入った「贅沢(ぜいたく)ショコラのチャバッタ」(230円)。「カリカリメロンパン」(130円)も人気。夕方でも焼きたてを食べられるように工夫している。
ベビーカーでも通りやすい通路など母親に優しい心遣いがうれしい。年末年始を除き無休。問い合わせは同店(☎0276・30・1351)へ。
【こんなお店も…】
◎スワンベーカリー(太田市浜町) 市社会福祉協議会が経営するパン店。トマトやベーコンたっぷりの人気商品「スワンのパニーニ」(280円)など約50種類を常時用意。土・日曜、祝日定休。問い合わせは同店(☎0276・47・8080)へ。
◎ダス・メール(太田市飯田町) 大塩照二さん(65)が、妻と営むアットホームな店。バターたっぷりの「ブリオッシュ」(302円)や、こだわりの食パン(302円~)が人気。日曜定休。問い合わせは同店(0276・45・9880)へ。
【本日の探検隊員】太田支局 浦野葉奈記者 ごはん党もはまる
実はパンより、ごはん党の記者。「店によって、そんなに味に違いがあるのかな」と思いつつ取材を始めた。実際に回ってみると、食パン一つとっても味はそれぞれで、工夫を凝らした商品ばかり。共通するのは、素材一つ一つにこだわり、常に新製法を取り入れ、「進化」を目指す店員の姿だった。個性豊かなパン屋さんをまた訪ねてみたい。
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