「ふくまる」使い大吟醸 かすみがうら産特別栽培米

茨城新聞
2018年4月25日

かすみがうら市で栽培された県オリジナル米「ふくまる」特別栽培米の大吟醸酒が誕生し24日、同市役所でお披露目された。地元の生産者と石岡市の酒造会社が酒造りに取り組み、JA土浦などが5月から販売する。かすみがうら市内では品質を高めた「厳選米」としてコメも先行販売しており、かすみがうら発の酒として県内外にアピールする。

商品名は「ふくまる厳選米のお酒」。原料のコメは、市内の生産者有志6人による同市特別栽培米研究会(山崎裕司会長)が全量を提供した。醸造は石岡市で銘柄「白菊」を持つ広瀬商店が手掛けた。ふくまる特別栽培米を使った酒は県内で初めて。

特別栽培米は前年度、市内計1ヘクタールで栽培し、約5トンを収穫。農薬や化学肥料を半分以下に減らし、このうち粒の大きさが2ミリ以上を選び、食味に影響するタンパク質含有量を6・5%以下に抑えた。コメとして販売したほか、1・2トンを酒造りに提供した。

酒は茨城の酵母を使い、1250リットルを醸造。今年2月から仕込み、720ミリリットル入りで約1800本を造った。広瀬商店8代目の広瀬慶之助さん(45)は「ふくまるは酒造りにも適している。大吟醸らしくすっきりした香りと味のバランスが良い」と味に太鼓判を押した。

生産者代表の山崎さん(72)は「育てたコメがおいしいお酒になってうれしい」と笑顔で語った。JA土浦の池田正組合長は「女性にも飲みやすく、地元でたくさん消費してほしい」と期待を込めた。

今回の酒造りは、市と各種団体が連携して農業振興を進めている市農業再生協議会と、かすみがうら未来づくりカンパニーが発案した。

価格は税別2300円。販売は、かすみがうら市坂の地域交流センター内「かすみマルシェ」や、JA土浦直売所などで取り扱う。

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