《茨城いちばん》鶏卵 栄養に富み安価

茨城新聞
2018年2月25日

栄養価が高く値段も手頃で、毎日の食卓に欠かせない食材の鶏卵。農林水産省によると、2016年の農業産出額は、本県が447億円で全国トップ。2位の千葉県に66億円の差をつけた。

県内はニワトリを飼育しやすい平地が多いのに加え、餌となる飼料工場が立地することや、首都圏に近い物流面など、養鶏に最適な条件がそろっている。本県の農業産出額に占める割合はコメに次いで2番目に多い。

県畜産課によると、16年の県内生産者数は133戸。飼養羽数は1284万羽で、トップの小美玉市がうち約3割を占めた。ほかの主な産地は、坂東市、石岡市、八千代町、茨城町など。

小美玉市は、産地の認知度向上や消費拡大につなげようと、16年から市内の「空のえき そ・ら・ら」で、「オミタマ玉子王国の玉子まつり」を開催。卵を使ったメニューの提供や体験型のイベントを行っている。

鶏卵生産は、かつては個人農家が中心だったが、近年は養鶏業者の占める割合が増加。生産スタイルや経営規模もさまざまで、集卵などの作業を機械化している大手業者が規模を拡大する一方で、餌や飼育法にこだわり、地元でプライベートブランドとして売り出す農家も増えている。

県内のブランド卵でよく知られているのは、ひたち農園(常陸大宮市)の「奥久慈卵」。独自の採卵基準やきめ細かな品質管理により出荷される卵は濃厚な味わいで、県内外の飲食店や菓子店のほか、日本航空(JAL)の機内食の食材としても使用された。

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