《上野三碑「世界の記憶」》三碑の価値世界へ 日中韓専門家がシンポ
上野三碑の国連教育科学文化機関(ユネスコ)「世界の記憶」登録を記念した日中韓国際シンポジウム(上野三碑世界記憶遺産登録推進協議会主催)が9日、高崎市内で開かれ、中国と韓国を代表する古代史の専門家が三碑の価値について意見を交わした。
「中国・韓国から見た上野三碑」と題した座談会に、韓国の啓明(ケミョン)大学校名誉教授、盧重國(ノジュングク)さんと慶北(キョンブク)大学校教授の朱甫暾(チュボドン)さん、中国の陝西師範大学教授、拜根興(はいこんこう)さんがパネリストとして登壇した。
盧さんは、母親への感謝が刻まれた山上碑について「個人的な内容の石碑は韓国でこれまでに見つかっていない」とし、「韓国から日本に入った石碑文化が変化したと言える」と指摘した。朱さんは「地方の人々の生活や考え方、文化が石碑に込められていると感じた」と述べた。
拜さんは「非常にきれいに石碑が残っているので感動した」と保存に関わった地域住民をたたえ、「三碑の世界的な価値を発掘していくのは群馬の皆さんである」と呼び掛けた。進行役を務めた、同協議会委員の前沢和之さんは「三碑の価値を広く知ってもらい文化交流に役立てたい」と述べた。
座談会に先立ち、3人がそれぞれ講演したほか、前国立歴史民俗博物館長の平川南さんが三碑の世界的な価値について説明した。
シンポジウムは10日に東京国際交流館(東京都江東区)でも開かれる。
【写真】中韓の専門家が上野三碑について語った座談会
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