地蔵包む、治癒願う炎 古河

茨城新聞
2017年8月24日

病気やけがの治癒を願って地蔵の全身にろうそくの火をともす「高野ろうそく地蔵尊祭」が23日夜、古河市高野の高野地蔵尊であり、参拝者がろうそくの火に包まれた地蔵に手を合わせて病の平癒を祈った。24日夜も行われる。

約300年続く伝統行事。毎年8月23、24日に行われる。参拝者は身体の悪い所と同じ地蔵の部位にろうそくを立て、火をともして拝むと病が治るとされている。1719年に建立された初代の地蔵は焼け崩れ、現在、1936年に建立された2代目が役を担う。

ろうそくは2日間で2千~3千本立てられるという。この日も、ろうが熱で溶けて地蔵の身体に流れ出すと、地蔵に火が移って真っ赤な炎に包まれた。参拝者は「全身」「肩」などと世話役に頼んでは、完治を願って手を合わせた。

娘や孫たちと参拝した同市駒羽根、田中和枝さん(63)は「膝が悪いので少しでも楽になれば」と、家族の健康と併せて願っていた。高野行政区の塩田清七区長(64)は「本尊に直接ろうそくを供える珍しい祭り。地域の絆につながる祭りを守っていきたい」と話した。

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