「生きる手触り」追求 画家の飯泉さんが個展 11日まで 茨城・ひたちなか

茨城新聞
2025年8月8日

茨城県つくば市の画家、飯泉あやめさん(36)の個展「無駄。またの名を、必然Vol.5」が、同県ひたちなか市共栄町のギャラリーサザで開かれている。花などをモチーフにしながら、独特のドローイングで、自らの生きる手触りを追求して描いたアクリル画を中心に100点を展示している。同展は11日まで。

「生きるために描き、描くことで生かされきた」と自らにとって絵を描く意味を話す飯泉さん。2018年から作品発表を始め、徐々に活動の場を広げている。4回目となる今回の個展は、2月に初めて出産を経験し、「妊娠中から産後にかけて」の制作を中心に出品した。

「不滅」という題の30センチ四方の作品は、キャンバスに、赤い花々を力強く描く一方、色を塗らない余白も残し、いままでにない描き方になった。「余白には(人を頼り)救われる気持ちが出ている。妊娠出産を経験して得たたおやかな強さかもしれない」という。

他に、金色で「HOPE(希望)」という文字をびっしりと書き連ね、稲穂の実りのような図像を構成した「祈りシリーズ」の作品や、やおよろずの神をテーマにしたはがきほどのサイズの小品群などもある。飯泉さんは「見る人の生命のかけらを呼び覚ますきっかけになればうれしい」と話している。

入場無料。午前10時~午後6時半(最終日同3時まで)。午後は作家が在廊。同ギャラリー(電)029(270)1151。