富岡舞台の映画「紅い襷」 主演 水島 優さん

上毛新聞
2017年7月12日

明治初期、富岡製糸場で器械製糸技術を学んだ工女のドラマと、歴史ドキュメンタリーを織り交ぜた映画「紅(あか)い襷(たすき)」が完成した。主演した女優、水島優さん(26)=東京都=は「志願して富岡に来た工女の熱い思いや前向きな気持ち、勇気を持って踏み出す一歩の大切さを教わった」と振り返る。
映画は製糸場の価値を伝えようと、富岡市が企画制作した。一等工女を目指す少女の成長を描く物語で、水島さんは創業期に長野・松代からやって来た伝習工女の横田英を演じた。
作品の見どころとして、「少女たちの成長」を挙げる。一人一人の少女が人間として、工女として成長する姿を丁寧に表現した。「明治時代、群馬の歴史を作ったのは工女だということを、映像から感じてほしい。世界文化遺産の富岡製糸場を盛り上げる手伝いができることは幸せ 」とほほえむ。
撮影が終わった後も水島さんは、さまざまなイベントで富岡へ足を運んでいる。製糸場周辺の市街地について「気さくに声を掛けてくれる方が多い。妙義山の美しい山並み、空気のよさもあるので、一人旅もよさそう」と気に入った様子。撮影中に市内のイタリア料理店で食べた県産野菜の甘さが印象的だという。
今月2日には、富岡市で先行上映が行われ、舞台あいさつした。水島さんは、観客の前で作品のエンディング曲「あの空へ」を披露、感極まり涙をこぼした。「会場に響く拍手を聞き、富岡の皆さんの温かさに救われた思い」と話した。
「紅い襷」は県内では、10月7日からユナイテッド・シネマ前橋(前橋市)とイオンシネマ高崎(高崎市)で公開される。

みずしま・ゆう 1990年、愛媛県生まれ。武蔵野音楽大卒。主にミュージカルに出演してきた。「紅い襷」が映像作品としては初出演、初主演。

 

【写真】「製糸場を盛り上げる手伝いができて幸せ」と話す水島さん

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