《釣り》ポン級アイナメ狙う 茨城・大洗の磯場 アワセ強め 根から素早く引き離す

茨城県大洗町の平太郎浜からアクアワールド県大洗水族館まで続く大洗海岸は全体的に遠浅で、低い磯が連なり、砂浜エリアに続いている県内屈指の磯釣り場。暖かい陽気が続き、水温も13度と上がってきた3月下旬、磯場の投げ釣りでポン級サイズのアイナメを狙った。
「ポン級」とは30センチ以上のアイナメ。ちょうどビール大瓶ほどで1本、2本と数えることから。「ビール瓶サイズ」とも。50センチ超は「一升瓶サイズ」だ。
大洗海岸は、比較的大きな磯場が点在し、釣りのポイントも豊富だ。ハエ根が多く大きなワンドもあるので見逃せない。海底は砂地に石交じりのゴロタ場。石が多いので、海藻の付きもよく、アイナメには最高の環境だ。水深は手前が1.5~2メートル、沖目なら3~4メートルで全体的に浅い。
今回は、3.6~4.05メートルの投げざおと投げ用リールをそれぞれ4セット用意。道糸はナイロンの5号。重り(四角錐、25号)が誘導する2本バリの当店オリジナル投げ仕掛けで、針は12号と15号を使い分けた。

さおを4本使い、根掛かりを回避しながら根回りを根気よく攻める
色は魚にも釣り人にも目立つ蛍光レッド。磯場の状況が手に伝わりやすく、根を把握できる。餌は魚にアピールするべく、青イソメの房掛けとした。
午後3時ごろから釣り始める。砂浜と岩礁の入り交じったポイントで、風も波も比較的穏やか。初めは潮があまり動かずアタリもなかった。午後4時半過ぎから潮が動き始めた。海面をジャンプする魚が見える。その付近に投げると5分後、さおが「コツン」とお辞儀。待望のアタリだ。
すかさずアワセを入れると、さらに強くさおが曲がる。アイナメ特有の首振りダンスでグングンという引きが続く。リールを素早く巻き、さおで一気に引き寄せると本命のポン級サイズ38センチのアイナメだった。
アイナメ釣りで最も重要なのは、アワセ前後の動作だ。アタリが鮮明なのでアワセのタイミングは難しくない。だがアワセをできるだけ強めに行い、根から魚を素早く引き離す必要がある。特に大型のアイナメが根に潜ると、まず取り込めないのだ。瞬時に魚を根から離せるかが、この釣りの難しいところであり、面白みでもある。アタリがなければ、仕掛けを少し動かして誘ってみるのもよい。
釣り場は潮通しのいい場所がよいが、沈み根周辺が狙い目だ。沈み根が分からなければ、さおを数本用意して多方向に投げ分けておくと、確率が上がる。
潮回りは事前に潮見表等で確認し、魚の活性が上がる干潮から上げ潮に向かう時が期待できる。磯場のアイナメ釣りは、5月末まで楽しめる。
(金丸釣具店店長・石田直也)