宇都宮市が若手芸術家を支援する「エスペール賞」に五月女かおるさん 現代的な視点に評価

栃木県宇都宮市は若手芸術家を支援する第17回「宇都宮エスペール賞」に、宇都宮市出身でインスタレーション作品を手がける美術作家五月女かおるさん(28)=愛知県長久手市在住=を選出し、26日、市役所で表彰式を行った。
本年度は絵画や彫刻などの「ギャラリー部門」を募集し、21人が応募した。選考委員長の佐々木吉晴宇都宮美術館長は、五月女さんが金網や樹脂で立体造形を制作している点を「身近な素材を使った独自のスタイルは、可逆性や双方向性といった現代的な視点を内包し、大変ユニーク。今後の飛躍の可能性を強く感じさせる」と絶賛した。
五月女さんは、2024年に愛知県立芸術大大学院博士前期を修了。23年には芸術祭「六甲ミーツ・アート芸術散歩 2023 beyond」で、家畜の形に造形した金網を鉄のフレームにはめ込んだ彫刻「食事の風景」が公募大賞のグランプリを受賞した。
宇都宮美術館で開催中の「第6回宇都宮美術の現在展」への参加や名古屋市内のギャラリーで個展を開催するなど精力的に活動している。
佐藤栄一市長から賞状と育成金(200万円)の目録を受け取った五月女さんは「制作を続けられたのは周囲のおかげ。地元からの支援は励みになる。技術向上に精進し、国内外問わず発表の場を設けていきたい」と話した。
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