「書の美」受け継ぐ3人展 浅香氏、星氏、吉澤氏 茨城・筑西

茨城新聞
2025年1月24日

茨城県筑西市出身の書家、浅香鉄心氏(1926~97年)や、その流れをくむ書家の星弘道氏(80)と吉澤鐵之氏(70)の企画展「『書の美』展 受け継がれるバトン」が、筑西市丙のしもだて美術館で開かれている。茨城県の書壇をけん引してきた浅香氏と星、吉澤両氏の3人による力強く美しい作品計64点がそろう。

同展は市誕生20周年記念事業の一環。内覧会で星、吉澤両氏が解説した。

浅香氏は書家の吉澤鐵石氏(26~87年)らと共に書道団体「日本書作院」を設立し、88年には日本芸術院賞を受賞。同市で芸術活動を展開し、多くの後進を育てた。今回は初期から晩年に至る作品が並ぶ中、日本テレビの特別番組で書き上げた「平成」の書が目を引く。

浅香氏に師事した星氏は、書の古典を幅広く学ぶとともに、変幻自在の筆線により品格ある作風が高い評価を得る。内覧会では「玲瓏(れいろう)」を取り上げ、「書の一番大事な線の表情がうまく出せた」と評した。

鐵石氏の三男、鐵之氏は自作の詩に思いを込めた作品などが特徴。内覧会で「満足している作品」と挙げた「災後三年五浦有感(自詠)」は、東日本大震災の津波で流失し再建された六角堂(同県北茨城市)が主題。改組新第1回日展で会員賞に輝いた。

同展は3月9日まで。吉澤氏によるギャラリートークが3月8日に行われる。