《釣り》サビキでカマス狙い 力強い引きが魅力 北茨城
茨城県北茨城市の大津港で、毎年冬になると狙えるのがカマス。正月休みで多くの釣り人が繰り出すであろう2024年12月の末、このカマスを狙って釣行した。カマスは暗いうちはまずかからず、日中の釣り。早朝から釣り場に行く必要はない。しかし混雑を予想して日の出前の午前4時半、港に着いた。
夜明けまで2時間というのに、既に港の堤防はさおを出す隙間もないほどの混雑だ。堤防の先端から中間くらいまでの人気ポイントは諦め、人がまばらな堤防の手前部分のポイントに腰を据える。
早速、さおを出して港の内側をジグサビキで狙ってみる。ジグの動きに反応したカマスをサビキで食わす? いや、引っかける釣りである。
カマスは魚食性が強いが、意外にも口が小さい。鋭い牙歯で獲物をかみ、タイミングを計って吸い込む。そのため、金属ルアーは歯が引っかからず、捕食しにくく、なかなかヒットしない。
しかしルアーにはしぶとくアタックするのでサビキで気を引いて食わす、あるいはルアーにまとわりつくカマスをサビキの針で引っかける-、とまあ、そんなあんばいだ。
6本針のサビキ仕掛けを3本ずつ分けて使う。歯で切られることがあるのでハリスは3号。やはり暗いうちはアタリすらない。午前5時半を過ぎると次々にカマサー(カマス釣りの人)がやってきて堤防にズラリと並んだ。
6時過ぎ、辺りが明るくなってきた頃、ようやくアタリがきた。さっきまで全く無反応だったのに急にガツガツと下品に連発。ゆっくりさおを上下にシャクってサビキの誘いを入れる。
「よし、かかった」。体長は約30センチだが、なかなか力強い引き味がこの釣りの面白み。サビキの針が胴体に刺さって上がってきた。まずは1匹。
急いで投げるとまたすぐ釣れる。何匹か釣り上げると20センチに満たないカマスが上がった。待ってましたと「泳がせ釣り」のさおをセット。今釣れたカマスの背に針を2本かけ、海中に投げ込んでおく。
再びジグサビキでカマスを狙う。およそ1時間でカマス11匹アジ3匹が釣れた。夕食のおかずには十分。帰り支度をしていると置きざおが勢いよく倒れた。
「おお、ヒラメか?」早アワセは禁物だ、しっかりのみ込むのを待つとラインがスルスルと伸びる。大きく合わせるとなかなかの手応え。見えてきたのは銀色に輝くシーバスだった。堤防に上げるとウルメイワシ2匹を吐き出した。しかし朝の仕事に遅れてしまう。午前7時半、道具をまとめて港を後にした。(奔流倶楽部渓夢・上谷泰久)
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