稀勢、水戸で土俵入り 太刀持ちに新大関高安

茨城新聞
2017年6月12日

大相撲の横綱稀勢の里(30)=牛久市出身、田子ノ浦部屋=が11日、第19代横綱常陸山の生誕地である水戸市城東2丁目に立つ像の前で奉納土俵入りを披露した。新大関高安(27)=土浦市出身、同=が、大関としては珍しい太刀持ちを務め、2人を一目見ようと詰め掛けた3800人(主催者発表)を喜ばせた。

稀勢の里などは、水戸市酒門町の常陸山の墓に参った後、常陸山像に玉串をささげ、記念に梅の木を植えた。その後、稀勢の里は化粧まわし姿になり、昇進を果たした高安を太刀持ちに、前頭の松鳳山(33)=二所ノ関部屋=を露払いに従えて、迫力あふれる雲龍型の土俵入りを披露した。

集まった人たちからは「よいしょ」「日本一」と掛け声が飛び交った。

土俵入りの後、稀勢の里は記者団の取材に応じ「大先輩の前での土俵入りは光栄。一歩でも近づけるよう精進したい」と感激の様子。昇進に伴い来場所から太刀持ちを外れる高安は「最後だと思って、いろいろ考えながら取り組んだ。自分もいつか違う形でここに戻ってきたい」と決意を述べた。

同市酒門町の木村操子さん(68)は「稀勢の里は姿勢がしっかりしていて格好良く、高安も愛嬌(あいきょう)があって和んだ。2人にはもっと活躍する姿を見せてほしい」と期待した。

常陸山は明治期に活躍した水戸市出身の横綱。相撲を国技の地位まで引き上げた「角聖」とされる。同市城東2丁目に生家跡があり、2014年にも同じ場所で第69代横綱白鵬が奉納土俵入りに臨んでいる。

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