「沼田のリンゴは香り高い」 スペインのシードル品評会で最高賞

上毛新聞
2024年10月30日

スペインで9月下旬に開かれた国際的なシードル品評会(SISGA)で、上州沼田シードル醸造(群馬県沼田市利根町)の沼田市特産リンゴで造った2製品「沼田アップル甘口」「沼田アップル辛口」がそれぞれ部門最高賞に輝いた。日本の生産者が最高賞を受賞するのは初めて。

品評会には21カ国から約300銘柄が出品され、10部門で審査が行われた。上州沼田シードル醸造の甘口は 「スイートサイダー」部門、辛口は「ドライ・スティルサイダー」部門に出品した。昨年に続き2度目の挑戦。会場では「フルーティーで優しいリンゴの香りがある」と特に香りで評判が良かったという。

藤井達郎社長は都内でバーも経営する。洋酒を学ぼうと渡欧してシードルと出合い、生産地を巡った。「自分で造りたい」と出身地の同市での製造を構想し、2019年に市が起業を志す人を支援する「ぬまた起業塾」に入塾(第5期)、事業プランを練り上げた。20年に同社を設立し、21年に酒造免許を取得して醸造所を設けた。

藤井社長は25日、市役所で星野稔市長に受賞を報告し、「素材のポテンシャルの高さが勝因。沼田のリンゴのおいしさをもっと伝えたい」と話した。県内の一部酒店などで小瓶(375ミリリットル)1760円、大瓶(750ミリリットル)2860円で販売している。