《栃木・県南グルメ》かつ一(足利)日本初の製法を継承する「特上ひれかつ」を秘伝ソースで

下野新聞
2024年10月27日

一口頬張ると、香ばしい油の香りと肉のうまみが口いっぱいに広がる。代表の稲垣実さん(66)のお薦めは「特上ひれかつ定食 200グラム」(2310円)だ。

日本で初めてヒレカツを提供した店の伝統的な製法を忠実に守っているという。揚げ油には、黒毛和牛のケンネン脂とブランド豚のハラミ脂を煮溶かして抽出した、甘くて香ばしい油を使用。分厚く切ったもち豚に衣をまとわせ、二つの大釜で高温、中温の順に揚げてうま味を閉じ込める。

揚がったカツは一滴の肉汁も無駄にしないよう、皿の上で切って盛り付けるこだわり。最高級のウスターソースなどを自家調合し、4時間ほど煮込んで香りを深めたぴり辛の「秘伝ソース」との相性が抜群だ。

24歳で店を始めた稲垣さん。店名の「一」には、「日本で初めて作られたヒレカツの伝統を守り抜きたい」という決意を込めた。

下積み時代にほれ込んだヒレカツの伝統製法を続け、ことしで43年になる。「この製法を続けているのはおそらくうちだけ。『文化財級』のヒレカツです」。稲垣さんの言葉には、長年積み重ねてきた仕事への確かな自信がにじんでいた。

▼メモ 栃木県足利市江川町1-11-5。平日は午前11時~午後2時半、午後5~9時。土日祝日は午前11時~午後9時。火曜定休。(問)0284・44・2451。

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