栃木県宇都宮市のMEGAドンキ内の「喜久屋書店」9月末で閉店へ パルコ撤退も一因に
栃木県宇都宮市馬場通り2丁目の「喜久屋書店宇都宮店」が9月末で閉店することが9日、分かった。周辺の商業施設の撤退やインターネット通販の普及により、来店客数や売り上げが減少したことが理由。県内でも有数の大規模書店だが、業績回復の見通しが立たず、19年半の営業に幕を閉じる。
同店は2005年3月、ラパーク長崎屋宇都宮店(現MEGAドン・キホーテ宇都宮店)の5、6階部分にオープンした。キクヤ図書販売(神戸市)が運営し、売り場面積は約3000平方メートル、販売図書数は約32万冊と、全国に約30カ所ある店舗の中で最大規模を誇る。
人文や理工、医療・介護など豊富な種類の専門書や、充実した児童書が特長。宇都宮市中心部という恵まれた立地もあり、ピーク時の2008年ごろには来店客数が月7000~8000人、年間売上高は約3億円を計上していた。
しかし郊外の大型ショッピングモールに徐々に客が流れたほか、19年5月には近隣の宇都宮パルコが撤退したこともあり、来店客数は減少を続けた。
新型コロナウイルス禍では巣ごもり需要もあり一時的に客足が回復したものの、5類移行後には再び減少。人件費や電気代の上昇などコスト高も影響した。
品田洋道店長(48)は「専門書を求めて遠方から来店する常連の方もいた。大変残念だが、最後までしっかり営業を続けたい」と話した。
MEGAドン・キホーテ宇都宮店を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは、後継のテナントについて「個別の案件については答えられない」とした。
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