《釣り》アユの習性知り 友釣り 茨城・大子の久慈川で体験合宿 川の流れ「読み」釣果99匹

茨城新聞
2024年8月3日

アユ釣りシーズン真っ盛りの7月20、21の両日、茨城県大子町で「久慈川アユ友釣り体験合宿」(大子町営研修センター主催)が開かれた。参加10人の釣果は合わせて99匹。体験をきっかけに釣りの楽しさを広め、大子の自然に親しんでもらおうとの狙いだ。

縄張りを持つアユの習性を利用する友釣りは、おとりを追い立てにきたアユを針にかける独特の釣り方。しかし流れの中でおとりを泳がせるにもこつがあり、さおの操作も慣れが必要。アユが好む環境や習性、川の流れを「読む」には経験と勘が要求される。初心者にはなかなかハードルが高い。

合宿初日の午後、県内外から応募した女性2人を含む10人が、宿泊する同町営研修センターに集合した。初めに同町職員でアユ釣りのチーフインストラクター、中野一徳さん(56)が、春に海から川へ遡上(そじょう)し、夏に成長、秋に河口へ下って産卵し、冬にふ化した稚魚が河口周辺で過ごすアユの生態や習性を解説した。

初めての1匹に顔もほころぶ=大子町大子

初心者向けのビデオを見た参加者らは、アユ釣りの釣具や装備、道具類について理解を深め、釣りの流れを学んだ。その後はバーベキューで交流し初日の日程を終えた。

翌朝、ウェーダーや釣りベスト、アユ足袋に身を包んだ一行は同町大子の湯の里公園に移動。同町登録のアユ釣りインストラクターに付き添われて久慈川本流と支流の押川が合流する周辺へ散った。

参加者らは流れに入って、おとりアユの扱い、さおの操作などマンツーマンで指導を受けながらさおを振るった。

海釣りが趣味という茨城県小美玉市の田上雅子さん(55)は友釣りに「ずっと興味があって、私が夫と娘を誘って来た。昼食をかけて競争です」と意気込んだ。

「ヘラブナ釣りをやる」程度だった埼玉県春日部市の田代雅之さん(56)は「昨年の体験会に参加して面白くなった。今季は道具、装備をそろえ(大子は)3回目」とのめり込んだ。

茨城県水戸市出身で都内から参加した立花優樹さん(32)は「帰ったら早速、道具をそろえたい」とすっかりとりこになった。

参加者は昼食を挟んで午後も川に繰り出した。竿頭(さおがしら)は春日部市の田代さん15匹、次いで小美玉市の田上ほのかさん12匹、立花さん12匹、田上秀之さん、雅子さんがそれぞれ11匹だった。