《食いこ》いなり工房 ISAGO(茨城・笠間市) 具材多彩、工夫重ね創作

茨城新聞
2024年7月14日

茨城県笠間市東平の「いなり工房 ISAGO(いさご)」は、豊富な種類がそろう、いなりずし専門店だ。ジューシーで甘い味付けが特徴の油揚げの中に、すし飯をたっぷり詰め、タコやホタテなどさまざまな具材をのせる。アイデア満載の創作いなりを提供する代表の星博光さん(74)は「お客さんを飽きさせない工夫を続けている。いなりずしを食べて、『おいしい』『面白いね』と一家だんらんの話題となればうれしい」と話す。

いなりずしは、毎月替わる「季節のいなり」を含め、常時十数種類が並ぶ。油揚げは米油で揚げたものを使い肉厚だ。味付けは黒糖をベースに6種類の砂糖と、しょうゆで甘さを引き出す。米にもこだわり、笠間近隣の契約農家から仕入れている。

具材は多彩。看板商品は鹿島だこを使った「たこいなり」で、たれに漬け込んだタコのうまみと歯応えが楽しめる。「えびいなり」と「ほたていなり」を加えた「笠間三大いなり寿司」がお薦め。ほかにミョウガや肉辛みそ、クルミ、ショウガ、すし飯の代わりに常陸秋そばを油揚げに入れた「そばいなり」などもある。

丁寧に具材を盛り付けた「ほたていなり」「たこいなり」「えびいなり」(右から)

ショーケースで目立つのは、一見してロールケーキのような「卵の切り株」と名付けた太巻き。卵は昆布と煮干しを合わせただしを使った自慢の一品だ。3月からは酢漬けのタマネギやレモンなどを詰めた「サラダいなり」も登場。夏場、食欲が減退する時にもってこいだろう。店内で食せるスペースもあり、商品は店頭以外に道の駅かさまなどで販売している。

星さんは40代ですし業界へ入った。笠間市内で持ち帰りと出前専門のすし屋を経営。笠間稲荷神社で行われた「笠間お稲荷さんコンテスト」にタコを使ったいなりずしが入賞するなどして、2011年3月に現在の場所でいなりずしの専門店を開業した。オリジナリティーあふれるいなりずしの開発は「覚えていないくらい、いろいろなものに挑戦した」と苦労を重ねた。商品は広く知られ、他県から訪れる客も多いという。

 

タコのキャラクターの看板と黄色いのれんが目印の外観

店はアットホームな雰囲気で、従業員のアイデアを取り入れた商品も販売している。星さんは「従業員に恵まれ、人に感謝。これからも自分に妥協せず、長く続けられたら」と見据えた。

■お出かけ情報
いなり工房 ISAGO
▽笠間市東平4の5の45
▽営業時間は午前11時~午後3時
▽定休日は水曜、第2木曜
▽(電)0296(78)4848
▽ホームページアドレスは
https://inari-isago.jimdofree.com