北茨城、資料館から 御船祭、本番向け移動
国の重要無形民俗文化財の指定を受けて臨時開催される北茨城市大津町に伝わる大祭「常陸大津の御船祭」に使用される船が27日、保管・展示されている同市関南町仁井田の市漁業歴史資料館から約600メートル離れた御船置き場に移された。全国でも類のない神船を陸上渡御する祭りは、5月2日の宵祭り、3日の本祭りへと最後の準備に入った。
同日は同資料館から船を出し、祭りで船を左右に揺らしても横転しないように船底近くに木材を取り付けた。大型クレーンで慎重に持ち上げ、トレーラーに載せ600メートル離れた御船置き場に移動した。
常陸大津の御船祭保存会の鈴木敏仁事務局長は「やっとここまできた。万全の態勢で本番を迎え、けがのないよう執行したい。多くの人に見に来てもらえれば」と話した。
御船祭は同町に鎮座する佐波波地祇(さわわちぎ)神社の大漁と海上安全、町内の安泰と繁栄を願って行われる5年に1度の大祭。本来なら2019年開催予定だが、今年3月に国の指定を受けての臨時開催。
現在の祭りの形は、江戸時代に成立。全長15メートル、全幅3.6メートル、総重量7トンの船の両舷に取り付いた人が、船を左右に揺らし、約200メートルの引き綱を人力で引き、ソロバンと呼ばれる井桁状の滑走材の上を進む。総勢500人がかりで船を走らせる。
2日正午から。神輿(みこし)を載せない空船(からふね)が町内を巡行し、3日午前7時から式典を開催。神船渡御は午後1時から。
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