「鉄道神社」ご朱印完成 茨城・ひたちなか海浜鉄道 市民団体 ファン要望応え制作
ひたちなか海浜鉄道湊線(勝田-阿字ケ浦駅)で、44年間走った車両をご神体としたユニークな「鉄道神社」のご朱印がお披露目された。湊線を生かしたまちづくりに取り組む茨城県ひたちなか市の市民団体「三鉄ものがたり実行委員会」(佐藤久彰代表)が企画した。地元の活性化や誘客を目指す。
実行委は2021年6月、無事故で引退した縁起の良い気動車「キハ222」をご神体とした「ひたちなか開運鐵道神社」を同市阿字ケ浦町の阿字ケ浦駅に建立した。
建立当初からご朱印を要望する鉄道ファンらの声が多く、今年5月に佐藤代表の高校の先輩に制作を依頼。ご朱印は、はがきサイズで、ご神体と鳥居のイラストが描かれたものと、ご祭神名「キハ222命」の文字が記された2種類。ともに中央には「開運鐵道神社」の文字がデザインされている。
佐藤代表ら実行委関係者や同鉄道の吉田千秋社長ら約20人が今月9日、ご神体の気動車内でご朱印への魂入れの神事を行うとともに、神社建立3周年も祝った。
佐藤代表は「珍しい鉄道神社のご朱印を多くの人に手に取ってもらいたい」と話し、吉田社長も「ご朱印が新たな観光資源となり、湊線を利用する人が増えれば」と期待した。ご朱印は那珂湊駅で購入でき、1枚400円。
鉄道神社について、実行委は21年7月、那珂湊駅構内に湊線で使われていた1925年製レールで造った一の鳥居を設置。同駅が「拝殿」、神社のある阿字ケ浦駅が「本殿」で、その間の路線6.1キロを「参道」と位置付け、今回のご朱印の制作で神社の形を整えた。
路線周辺やその近隣の商店街を「仲見世通り」と表する佐藤代表は、「仲見世通りが活性化するイベントや誘客の仕掛けをどんどん企画、実行して地元を盛り上げたい」と新たな展開を見据えている。