「本気で遊べる場所に」 夫婦で旧群馬県立妙義青少年自然の家買い取り再整備 クラファンで費用募る
「大人も子ども本気で遊べる場所を作りたい」―。旧県立妙義青少年自然の家(群馬県富岡市妙義町)を買い取り、再整備を進めている一般社団法人「いとのにわプラス」(水沢充代表)が、施設の改修費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。水沢充代表(40)と妻の安津美さん(47)は「多くの人に素晴らしい自然環境を体感してほしい」とし、幅広い世代がキャンプやアスレチックなどを楽しめる施設の実現を目指している。
旧施設は県有施設の在り方見直しを受けて、2021年度末で廃止に。 施設の利活用を県が検討していることを知った水沢さん夫妻は同法人を立ち上げ、23年3月に施設を県と同市から購入した。新施設は「妙義自然の家プラス」と名付け、地元の子どもたちを対象にした夏祭りやハロウィーンのイベントを企画してきた。
4月からは施設の旧食堂でカフェを開き、無水調理が売りのチキンカレー「妙義極楽カリー」(1500円)を提供している。夫妻と縁のあったカレー専門店「極楽カリー」(神奈川県鎌倉市)で、充さんがレシピを学び、同店の人気メニューを再現した。
同法人はイベント企画などと並行し、昨秋からは宿泊やキャンプなど本格的な開業を目指したセルフリノベーションに着手。公開作業日を設けて毎月、地元住民や松井田高(安中市)の生徒らに協力してもらっているものの、築50年以上が経過した施設の老朽化は著しく、資金不足に直面し、CFの実施に踏み切った。
目標金額は1000万円。募った資金は①風呂場整備など宿泊許可に向けた準備②キャンプ場・アスレチックの整備③カフェ機能の拡充④妙義山に関する土産開発―に充てる。
2人は「この場所に来ると感覚が研ぎ澄まされる感じがある」と施設の魅力を訴えつつ、計画の実現に向けて協力を呼びかける。
CFの受け付け(https://itono28plus.square.site/)は7月7日まで。金額に応じて施設でのキャンプ利用券や、体験型イベント参加券などの返礼がある。