宇都宮美術館でイヴ・ネッツハマーの日本初個展 スイス現代美術の旗手 宇都宮にちなんだ新作も

下野新聞
2024年3月8日

栃木県宇都宮市長岡町の宇都宮美術館で3月10日から、スイス現代美術を代表する作家イヴ・ネッツハマーの日本初の個展「ささめく葉は空気の言問い」が開催される。他館への巡回はなく、宇都宮でしか見ることのできない作品が展示される貴重な機会となる。

ネッツハマーは、デジタル・アニメーションと立体造形を組み合わせた「映像インスタレーション」を主な表現手段とする1970年生まれの現役作家。理不尽に苛まれながらも世界や自己の霧散しかけた根拠をめぐってさまよう人の姿を、繊細に描き出してきた。

日本で初めての個展となる今回は、これまでの代表的な映像作品を紹介するとともに、宇都宮
で現地制作する大規模な新作インスタレーションを披露する。

宇都宮美術館は見どころとして次の3点を挙げ、来場を呼びかけている。

① 代表的な映像作品を上映
コンピューター・アニメーションによる無言劇の映像は、通常の語りの理路ではなく、イメージがイメージを呼ぶ原理に即して進行し、見る者を予測不可能な展開に引き込みます。

② 宇都宮の地下空洞に触発された竹のインスタレーション
宇都宮に産する大谷石の採掘場には、神殿を思わせる魅惑的な地下空洞が広がっています。その光景に着想を得たネッツハマーは今回、竹を用いた大規模なインスタレーションを現地制作します。

③ 美術館建築とのスリリングな競演
作品が設置される土地や建築の記憶を肌で読み解くネッツハマーが、周囲の森の情景を建物内に効果的に取り込む宇都宮美術館の空間と、作品で対話を交わします

関連イベントとして、3月30、31日にワークショップ「3Dプリンターを使って自分だけのチョコレート型をつくろう!」を開催。30日は午後1時~4時、31日は午前10時~正午で、両日での参加となる。

また、3月23日、4月6日、4月20日の各回午後2時からは、担当学芸員による見どころガイドを行う。

会期は5月12日まで。月曜日休館(4月29日、5月6日除く)で、開館時間は午前9時半~午後5時(入館午後4時半まで)。

観覧料は一般1000円、高校生・大学生800円、小学生・中学生600円。詳細は宇都宮美術館の公式ホームページで確認できる。

宇都宮美術館、下野新聞社による共催。下野新聞社のポイントサービス「とちぽ」のLINE公式アカウントでは、観覧チケットを10組20人にプレゼントする。とちぽのお友だち登録はこちら

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