《いばらき御朱印めぐり》茨城・常総市 大生郷天満宮 「日本三天神」の一角 道真の遺骨を祭る御廟

茨城新聞
2024年3月10日

歴史上の人物を神として祭った神社の中で、よく知られているのが菅原道真(845~903年)の天満宮。福岡県の太宰府天満宮、京都府の北野天満宮とともに「日本三天神」の一角を占めるのが、常総市の大生郷(おおのごう)天満宮だ。道真の遺骨をご神体にしている唯一の天満宮で「御廟(ごびょう)天神」の別名も持つ。関東から東北にかけては最古の天満宮ともいわれる。地域にとっては天災よけの神としてあがめられるほか、学問の神への合格祈願で各地から訪れる人も多い。

「御廟所として、御霊(みたま)を慰めてきた。雷の多い地域でもあり、天災を避けるようにと祈りをささげてきた」と話すのは権禰宜(ごんねぎ)の福田茂生(しげお)さん(46)。境内には、祭神の使いである牛の像や、刀を研げば願いがかなうと伝わる石碑・刀研石(かたなとぎいし)がある。境内の北側には2002年に御廟所を整備し、法塔を新設した。

天満宮の北側に開設した御廟所

歴史のおさらいをしてみると、平安時代の学者で政治家であった菅原道真は、右大臣にまで出世しながら陰謀によって太宰府へ左遷され、失意のうちに亡くなる。その後京都で疫病がはやり、日照りが続き、落雷で多数の死傷者が出たのを道真のたたりだと恐れた朝廷は、道真を「天神」として祭るようになった。

大生郷天満宮は、道真の三男景行(かげゆき)が常陸介(ひたちのすけ)という地方長官として茨城県に赴任した際に、社殿を建てて遺骨を納めた929年に創建。道真からの遺言に沿って、遺骨を持って全国を遍歴し、遺骨が重くなって動かなくなったこの土地で墓を築いた。

大生郷天満宮の御朱印

ここの御朱印は、中央に「大生郷天満宮」か「御廟天神」と墨書する。その上に梅の花をあしらった梅鉢紋の朱印を押す。月替わりで花のイラストも入れる。節分祭など季節限定のほか、誕生日と命日にちなんだ毎月25日の月並祭では特別御朱印も頒布する。

福田さんは「お参りして明るい気持ちになってお帰りいただけるような神社でありたい」と話す。

■メモ
アクセス:常総線水海道駅から車で20分、圏央道常総ICから車で12分。
住所:常総市大生郷町1234
電話:0297(24)1739
受付時間:午前9時~午後4時
御朱印:祭神の菅原道真公が愛した梅の印が特徴的。中央に「大生郷天満宮」または「御廟天神」と墨書。初穂料500円。
補足:県西地域9社が取り組む「下総結城郡 神玉(かみたま)巡拝」に参加。神玉500円、神紐(ひも)300円。