被災の笠間稲荷神社 大鳥居再建が着工
茨城新聞
2016年3月5日
神社の象徴復活へ-。東日本大震災による被害などで参道にあった5カ所の鳥居全てが撤去された笠間市笠間の笠間稲荷神社(塙東男宮司)は、参道入り口の大鳥居の再建工事に4日、着手した。高さ約10メートルの鉄骨造りで、拝殿と同色の「笠間朱色」をあしらう。費用は同神社の復興を願い寄せられた寄付金を充て、10月の完成を目指す。
従来の大鳥居は1990年に建立された御影石製で高さ約8メートル。東日本大震災前年の2010年に、小規模な地震などが原因で部分崩落した。ほか3カ所の石鳥居は震災で損壊し、残る1カ所の木製鳥居は風化が進んでいたことから併せて撤去した。
今回の再建は参拝者の安全や費用面などから検討し、鉄骨造りを採用。えんじ色に近い落ち着いた朱色の「笠間朱色」を施し、景観に溶け込むよう配慮したデザインとする。総工費は約9千万円で、全額を全国各地から集まった寄付金で賄う。
この日は参道で起工式が開かれ、総代ら同神社関係者、施工関係者など約30人が参列。神職が祝詞を奏上し、撤去後に残された鳥居の土台を清めた。
式後、塙宮司は「寄せられた皆さんの思いで再建でき、とてもありがたい。茨城の復興のシンボルにしたい」と話すとともに、ほか4カ所の再建も検討する方針を示した。
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