偕楽園好文亭ふすま絵修理 親子で下張りに墨絵

茨城新聞
2017年3月26日

水戸市の偕楽園にある好文亭のふすま絵が2017年度から修理されるのを前に、下張り用の和紙に絵や文字を描くワークショップが25日、同市三の丸1丁目の弘道館で行われた。東京芸術大の荒井経准教授(文化財保存)らが墨絵を指導、親子連れらが約70枚の作品を描いた。修理に使われると見えなくなってしまう下張りだが、次回の修理が行われる半世紀後に再び顔を見せる「タイムカプセル」に見立てたプロジェクトで、参加者は未来へのメッセージを下張りに託した。

ワークショップでは、プロジェクトの経緯を弘道館学芸員の小圷のり子さんが説明。好文亭のふすま絵の調査に当たった荒井准教授が「人知れず大作業が終わるのではもったいない。皆さんも修理に関わって次の時代へメッセージを残してほしい」と、文化財を支える意義を強調した。

好文亭にちなんで梅を描くことを決め、枝ぶりや太い幹の表現手法のアドバイスを受けて、参加者は思い思いに描いた。

友人家族も含めて3世代11人で参加し、4枚の和紙に思いを書き入れた筑西市下川島の古井陽子さん(40)は、「文化財の修理に参加できる上、50年後へメッセージが託せるなんてすごい企画」と感動した表情を見せていた。

ワークショップは26日に書で行うほか、好文亭落成記念日の7月1日などにも予定。4月15~20日に同市千波町の県民文化センターで開かれる日本の書展茨城展でも、来場者に制作を呼び掛ける。

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