《釣り》東京湾・船カワハギ 「餌取り名人」と知恵比べ 硬めのさお、手返しよく

茨城新聞
2024年2月3日

暮れも押し迫った2023年12月下旬、千葉県金谷にある光進丸で東京湾冬の風物詩、カワハギ釣りに行ってきた。船カワハギは毎年、9~10月に始まる。カワハギは「餌取り名人」の異名を持つほど針の餌だけを巧みに食ってしまう魚だ。カワハギとの知恵比べに魅了される釣り人が続出するゆえんだ。

さおは基本的に9対1や8対2の先調子のものを使うのが一般的。私はといえば、それぞれ硬め、中間、軟らかめのさお3本を用意した。獲物サイズが大きいときは軟らかめのさおでかけるとバレにくく、小型~中型のときは硬めのさおで手返しよく釣ることで数釣りできる。

小型のベイトリールにPEライン0・8号を仕掛けに直結した。カワハギ針は大きく分けて2種類。吸い込みやすく設計された「吸わせ針」と、かかりやすさを重視し、針の懐の幅が広い「ハゲ針」だ。初心者にはカワハギの口にしっかりと入る吸い込み針が良いと思う。

さおは先調子の硬め、中間、軟らかめの3本を用意した

さらにカワハギ釣りになくてはならないのが集魚板だ。カワハギは好奇心が旺盛で、キラキラと光る板やカラカラと音を出すラトルなどを仕掛けに付けると寄って来る。船釣りに欠かせない重りも通常は灰色だが、カワハギ用はゴールドや黄色、ピンクなどカラフルだ。私も今回、時間帯や魚の反応に合わせて集魚板や重りの色を変え、数を伸ばせた。

当日は午前7時出船。10分ほどでポイントに到着する。朝一はカワハギの様子を見るために、集魚板や中重りを付けないノーマル仕掛けで様子を見た。2匹ほどかかったが、大潮で潮が動いていたため、中重り1号を付けて仕掛けをたたいたり止めたりしてみた。

小さな口と独特の模様のカワハギ

しかし徐々に潮の動きが悪くなり、周りも食い渋り始めた。そんな時役立つのが集魚板だ。少しだけキャストし、集魚板を揺らしながら誘うと、興味を示したカワハギが寄って来る。

デメリットは、どうしてもアタリが分かりにくく、アタリが出なくなってしまうので、その時は聞き合わせを試すのも有効だ。

いろいろと工夫しながら数を伸ばしていき、結果は17匹。船中2番手となかなかの結果で23年を締めくくることができた。

カワハギは冬になると「海のフォアグラ」と呼ばれるほど肝が大きくなる。今回は肝しょうゆで刺し身にしたほか、一夜干しなどでおいしくいただいた。その難しさゆえにはまる人続出の船カワハギに挑戦してほしい。(キャスティングつくば店・中村勇人)