傷リンゴでタルト 群馬の高校生と洋菓子店が連携 2月にコンビニ販売へ

上毛新聞
2024年1月2日

群馬県の吾妻中央高が授業で栽培したリンゴのうち、傷があって出荷できない物を有効活用しようと、みなかみ町川上の洋菓子店「ジャック・ザ・タルトファンタジー」(永山孝宗代表)が同校と連携し、チーズタルトとしての商品化に取り組んでいる。12月下旬、同校の植物科学研究部の生徒4人が、同店に隣接する系列店の厨房(ちゅうぼう)を訪れ、リンゴの皮むきや、煮る作業を手伝った。

使用するリンゴは、ぐんま名月と陽光、ふじ、王林の4種類でコンテナ15個分。生物生産科植物科学コースの生徒が同校の果樹園で栽培したもので、通常は地元住民向けに販売している。

同校のリンゴが、民間事業者の手で商品化されるのは初めて。森田健一教諭は「見た目は落ちるが、味には自信があるリンゴ。おいしいタルトを作られている菓子店なので完成が楽しみ」と期待した。

生徒たちは手際よくリンゴの皮をむき、同店の従業員に教わりながら、砂糖やレモン汁を計量して鍋で煮詰めた。厨房には甘酸っぱい香りが立ち上った。

永山代表によると、加工の過程ではリンゴの歯触りの良い食感を残すことを重視。煮たリンゴは味の浸透のために一度冷凍させた後、刻んでチーズに練り込みタルトに載せる。タルトの見た目もリンゴの外観を表現する予定だという。

完成した商品は2月ごろ、吾妻郡内や渋川市内のコンビニエンスストアで販売される予定。

ジャック・ザ・タルトファンタジーを取引先とする東和銀行が、地域活性化を目的とする「お客さま応援活動」の一環で、同店と同校、コンビニの3者を仲介し、今回の連携が実現した。