茨城産ブドウでワイン 筑西、老舗酒造が生産販売
筑西市村田の老舗酒蔵「来福酒造」(藤村俊文社長)が、県産ブドウと天然の花酵母を使ったワイン生産に乗り出した。昨年から販売を始めた「来福ワイン」は、男女や年代を問わず、しっかりとした味わいが人気を集める。2月下旬には、サクラの酵母を使った「ロゼ」も約2千本を発売予定。同社は今後も商品開発を続ける予定で、「茨城でもおいしいワインが造れることをPRしたい」と意欲を見せている。
販売中の来福ワインは、いずれもニチニチソウの酵母によって発酵させた白ワインと赤ワイン。白は甘くてジューシー、赤はややドライながらも渋みと酸味が調和した味に仕上がった。
同社によると、「ロゼ」は、新鮮なブドウの甘みとほのかな酸味のバランスが良いという。
全ての日本酒醸造にツルバナ、ヒマワリ、カーネーションといった花酵母を使っているのが同社の特徴。昨年、創業300年を迎えたことなどを機に、果実酒製造免許を取得して「かねて興味があった」(藤村社長)というワイン生産を始めた。
藤村社長は「清酒と違い、原料のブドウの品質が大きく影響することが分かった」と、初のワイン生産を振り返る。その上で「反省点を生かして2年目以降につなげたい」と、別の花酵母を使った商品開発に意欲を示す。
同社によると、県内で生産されたワイン用のブドウは、多くが県外で醸造されている。藤村社長は「せっかく本県で作ったブドウを生かしたい。ワインを通じて地産地消や、(生産者が生産から加工販売まで手掛ける)6次産業化、県の魅力度向上にも貢献したい」と県産ワインの広がりに期待を込めた。来福ワインは750ミリリットルで1850円(税別)。県内の酒類専門店で販売中。
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