惜しまれつつ閉店した老舗の名物「マーブルパン」が復活 栃木・那須塩原のカフェが引き継ぐ

下野新聞
2023年10月28日

今春、76年の歴史に幕を閉じた栃木県那須町寺子丙のパン店「ますやパン店」の看板商品「マーブルパン」が20日、那須塩原市本町の那須塩原市まちなか交流センター(くるる)にオープンした和風カフェ「雲IZUくるる」で復活した。ますやパン店元店主の相馬信男さん(73)が、親戚で雲IZUを展開する和洋菓子・パン製造販売「シェレンバウム」社長の鈴木謙允さん(59)にレシピを提供。マーブルパンを愛するファンは「また食べられると思わなかった」と喜んでいる。

ますやパン店は1947年に相馬さんの父親が創業した。マーブルパンはコーヒー粉を練り込んだ食パンにマーガリンとフロストシュガーを塗ったもので高い人気を誇った。

同店は地元を中心に多くのファンに愛されたが、相馬さんは自身と妻の高齢を理由に閉店を決断。3月31日の最終日には県内外から多くの人が購入に訪れ、別れを惜しんだ。

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相馬さんはマーブルパンを別の店に引き継いでもらえないか模索していたところ、鈴木さんがくるる内にカフェを出店することが決定。相馬さんの思いを鈴木さんが受け止め、店頭でマーブルパンを販売することとなった。

ますやパン店と共通の問屋から材料を仕入れ、パン型も相馬さんから提供してもらった鈴木さんは「とにかくレシピを忠実に再現することを考えた」と振り返った。

雲IZUくるるオープン日の20日は、開店時間の午前10時前から約40人の列ができた。商品は3種類でマーブルパン(162円)千枚は午後4時過ぎにほぼ完売。那須塩原市の男性(75)は「昔から買っていた。閉店で寂しさを感じていたので、また食べることができてうれしい」と声を弾ませた。

店に駆けつけた相馬さんは「皆さんに喜んでもらえてありがたい」と笑顔。鈴木さんは「改めて多くの人に愛されていると分かった。今後もますやパン店で出していた商品を増やしていければ」と話した。

雲IZUくるるの営業は午前10時~午後5時。毎週月曜とくるる休館日の第2、4火曜休み。(問)くるる0287・73・5597。

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