奈良時代の銅貨出土 つくば・金田西遺跡、役人の集落か
県教育財団は9日、つくば市内の3遺跡の発掘調査の結果、同市金田(こんだ)の金田西遺跡から県内3例目となる、奈良時代の貨幣「神功(じんぐう)開宝(かいほう)」が出土したと発表した。出土は1996年の扇の台遺跡(土浦市)以来。同財団では「当時、一般の人にはあまり流通しなかったとされている貨幣」と話している。
神功開宝は直径約2・5センチの銅製で、遺跡の住居跡の床面から発見された。調査では、墨で「厨」と書かれた土器の食器「須恵器」や、奈良時代の役人の位を示すベルトの飾りである「腰帯具(ようたいぐ)」なども出土した。
同財団は同遺跡について、(1)役所の人に食事を提供するまかない場所である「厨」と書かれた須恵器が発見された(2)神功開宝が出土した(3)貴族に近い位の役人が身に着けていた黒漆が塗られた腰帯具が出土した-などの理由から、「役人や役所を維持する人たちが住んでいた集落と推測される」と説明した。
ほかに金田西坪B遺跡(同市金田)から約500~600年前の室町時代の城館跡が見つかり、柴崎大堀遺跡(同市柴崎)からは室町時代の堀跡が確認された。
調査は2016年4月~17年3月の間、金田西、金田西坪B、柴崎大堀の各遺跡を対象に実施中。一般向けの現地説明会は12日午後1時から。問い合わせは同財団つくば中根事務所(電)080(3405)9059。(高阿田総司)
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