<栃木・県央グルメ>道の駅ましこ(益子)益子の釜めし 「田舎っぽく」有名駅弁とも“共通点”

下野新聞
2023年9月17日

ずっしりと重みを感じる益子焼の釜に、益子町内産コシヒカリを使った茶飯を詰め、10種類のさまざまな具材を手際よくのせていく。

鶏肉はこってりと仕上げ、ゴボウやシイタケは甘辛味を強めに、たっぷり入った栃木県産かんぴょうは薄味にするなど全体のバランスを考えて具材ごとに調理し、存在感を生かしていく。

「栃木らしさ、益子の風土が伝わるような素朴さ、『田舎っぽさ』を大切にしています。味付けは濃いめですね」。調理担当の佐竹靖恵さん(71)ら3人で味を守る「益子の釜めし」(1100円)は、道の駅ましこで販売されている。

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もともと益子焼製造販売のつかもとが生み出した。日本屈指の有名駅弁となった「峠の釜めし」の容器の製造を1958年から手がけた流れで、昭和40(1965)年代に独自の釜飯を開発し、団体客らに提供してきた。刻字以外、峠の釜めしと同じ器だ。

長年親しまれてきた味は昨年、道の駅に引き継がれた。行楽期の週末には1日200個以上売れるなど安定した人気を誇る。調理補助の神谷則子さん(62)は「『益子に行ったら釜めし食べたいな』と思ってもらえるような、地元を代表する味にしたい」と釜に願いも詰める。

▼メモ 栃木県益子町長堤2271。午前9時~午後6時。火曜は釜めしの販売、レストランでの提供ともに休み。(問)0285・72・5530。

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