高校生、原案制作に熱 茨城・龍ケ崎市のトレカ企画 制作費CFも予定
茨城県龍ケ崎市と民間2社が、高校生とともにトレーディングカード(トレカ)の企画制作に取り組んでいる。デザインには地域性を盛り込み、完成品をふるさと納税の返礼品にするほか、商品化も検討する。寄付額を増やしたり、若者の起業精神を育んだりする狙いがある。夏休みを使い、カードの原案づくりを進める生徒たちは「大勢の人に遊んでもらえれば」と意気込む。
5日午後、龍ケ崎市役所付属棟。県立竜ケ崎南高2年の佐藤和真さん(16)、同1年の伊藤蓮さん(15)、県立取手松陽高3年の糸賀彩音さん(18)が、シートに絵コンテを書き込んでいく。トレカ制作に向けたワークショップだ。市内に住むか通学する高校生が集い、カードのキャラクター考案に頭をひねった。佐藤さんは「わくわくしている。龍ケ崎らしいキャラクターをしっかり考えたい」と語った。
市は6月、エンターテインメントコンテンツを取り入れた人材育成や教育支援を手がける「ギルドヒーローズ」(東京)を含む2社と包括連携協定を締結した。同社は、職業を題材にした対戦型カードゲーム「ギルドヒーローズ」を展開。高校生はゲームで使うカードの原案づくりを担う。
市の特色や問題といった要素も取り入れ、併せて持続可能な開発目標(SDGs)の考え方も身に付けてもらう。同社の森井聡社長は「行政、企業、高校生が一緒に大きな目標に向かっている。きっと社会に出てからも役立つ経験になるはずだ。生徒の思いを形にしたい」と述べた。
今月30日まで続く全3回のワークショップでは同社の担当者が講師となり、キャラクター考案やイラスト表現のこつ、起業のノウハウを伝授。生徒たちは課題もこなし、アイデアを練り上げて、起業の考え方も学ぶ。
完成は秋ごろを見込む。市はふるさと納税の返礼品に登録、同社は商品化もしたいという。市は事業を通し、未来を担う人材の育成やふるさと納税の受け入れ額増に期待する。萩原勇市長は「龍ケ崎のことを知ってもらえる。高校生の熱意も見てほしい」と力を込めた。
制作費を募るCFは今月中に開始。包括連携協定に加わり、CFのコンサルティングを担う「クラウドファンディングデザイン」(つくば市)が助言や支援に携わる。