水戸市立博物館に木内克「座像」を寄贈 久保田さん「目玉になれば」

茨城新聞
2023年8月14日

日本を代表する彫刻家として知られる茨城県水戸市出身の木内克(よし)(1892~1977年)が制作したブロンズ像「座像」が、同市大町3丁目の市立博物館に寄贈された。寄贈したのは、グループホームなどを運営する「セントメディケア」(同県茨城町)。会長の久保田啓蔵さん(82)=同市=は「博物館の目玉になればうれしい」と話した。同館入り口に展示される。

市によると、座像は木内が1962年に制作。79センチ四方、高さ31センチの台座に幅75センチ、奥行き71センチ、高さ145センチの小さな椅子に手をついた体勢の裸婦像が載る。

久保田さんは2011年、東日本大震災の影響で廃業した宮城県のホテルのオーナーから購入したという。

木内は文展入選を重ねた後、1921年に渡欧して欧州の古典彫刻に影響を受け、自由で柔軟な人体像が高く評価された。座像も木内らしさが存分に表れ、「力強くも心地よい明るさがある」(同館)。62年の第5回現代日本美術展で優秀賞に選ばれた。