海中滑り台「くじらの大ちゃん」 修繕終え住民歓喜 茨城・ひたちなかの海水浴場
茨城県ひたちなか市の平磯海水浴場にあるシンボルの海中滑り台「くじらの大ちゃん」の再塗装や傷の修繕が終わり、完成を祝う式典が17日、現地で開かれた。多くの地域住民が、きれいになった「大ちゃん」に歓声を上げた。
大ちゃんは全長15メートル、重さ2トンの強化プラスチック製。どんな天候でも目立つ朱色で、愛くるしい笑顔が人気だ。海水浴場近くの旅館「平磯館」を営む磯崎順三さん(83)ら地元住民が1983年に造った。
定期的に修繕してきたが、東日本大震災や海水浴客の減少、新型コロナウイルス禍などで震災以降は費用を捻出できず、修繕ができなかった。
このため、磯崎さんらは昨年、クラウドファンディングに挑戦して修繕費用を調達。地元からの協賛も含めて目標額を上回る380万円を集めた。昨年10月から約9カ月かけて傷や穴を直し、塗装し直した。海沿いに二つあるクジラの標示塔なども修理した。
式典で磯崎さんは「平磯のシンボルがきれいな姿に戻った。多くの人の支援に感謝。大ちゃんで遊んだり、見たりして楽しんでほしい」と話した。
修繕を祝い、砂浜奥に置かれている大ちゃんを波打ち際近くまでロープで引っ張る催しもあり、子どもたちや親子連れが楽しんだ。
家族4人で訪れた同市阿字ケ浦町の兼田千春さん(38)は「小さいころからあるので新しくなって良かった。家族で海水浴に行きたい」と笑顔で話した。