「どうする家康」放送記念 秘宝の家康座像初公開 日光山輪王寺

下野新聞
2023年3月20日

栃木県日光市山内の世界遺産・日光山輪王寺は20日までに、同寺に伝わる秘宝「徳川家康(とくがわいえやす)公座像」を初公開した。NHK大河ドラマ「どうする家康」の放送開始を記念し、参拝者に家康の生涯に思いをはせながら平和を願ってもらおうと公開した。同寺の鈴木常元(すずきじょうげん)教化部長(66)は「世界ではまだ争いが続いており、東照大権現にお出まし頂いた。多くの人に参拝してもらい、平和を願ってほしい」と話した。来年3月31日まで。

座像は二重の厨子(ずし)に納められており、高さ9・8センチ。りんとしたたたずまいの衣冠束帯像で、内側の厨子はこま犬が配されるなど金色の荘厳なしつらえとなっている。

同寺によると、座像は江戸期に東京・上野の東叡山寛永寺の支院・泉竜院の住職堯諄(ぎょうじゅん)大僧都が所持し、祈りを込めていた。輪王寺へ渡った詳しい経緯は不明だが、当時は輪王寺と寛永寺の住職を輪王寺宮が兼務するなど両寺にはゆかりがある。

座像の正面上部には懸仏(かけぼとけ)として本地仏(薬師如来)が掲げられており、家康を人間でなく東照大権現としてあがめられていることがうかがえる。鈴木教化部長は「堯諄大僧都は平和を願い、日々このお像を拝んでいたと思う」と話す。

家康を主人公とする大河ドラマが1月から始まったことを受け、同寺では泰平の世を築いた家康の座像を公開。鈴木教化部長は「お像を前に、まずは身近な平和を祈ってもらえれば」と話した。

本堂「三仏堂」内で公開している。拝観料金は大人400円、小中学生200円。受け付けは午前8時〜午後3時半(4〜10月は4時半まで)。

(問)輪王寺0288・54・0531。